いぶすきーの映画ぶろぐ

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2010年07月02日

ナビィの恋






『ナビィの恋』 監督:中江祐司


これは最高!

沖縄が好きなら絶対に観てほしい作品です!


出身地の沖縄にこだわり、沖縄を題材にした作品を撮り続ける中江祐司監督の長編映画第2作。



沖縄を舞台に、祖母と孫娘という世代の違う2人の女性のそれぞれの恋愛模様と人間関係を描いたラブロマンス。

と、映画情報に記載されていますが、監督は京都出身です(笑)

大学が琉球大学で、正しくは出身(大学)の沖縄ですね。


祖父母の暮らす沖縄県・粟国島に里帰りした奈々子(西田尚美)。



幼馴染みのケンジ(津波信一)が操縦する島への連絡船で、奈々子は白いスーツの老紳士を見かける。

奈々子を迎えるナビィおばあ(平良とみ)とおじぃの恵達(登川誠仁)。

ひょんなことで恵達の家に滞在することになった風来坊、福之助(村上淳)も交えてにぎやかな雰囲気に。



だがなんとなくナビィおばあの様子が落ち着かない。

奈々子が船で見かけた男性は、60年ぶりに島へ帰ってきたナビィおばあのかつての恋人・サンラー(平良進)だったのだ。



島から追放されたサンラーが戻ってきたことで、東金城(あがりかなぐすく)家一同はユタ(吉田妙子)を囲んで大騒ぎに。

サンラーの「60年前の約束を果たしに来た」という言葉の意味は?


監督のインタビューにもありましたが、ミュージカルを意識した作品作りは大成功!

沖縄の良質な音楽が見事に作品を融合していて、観ていて沖縄の空気を全身で感じることができました。

何より、キャストが凄すぎる。

登川 誠仁は、三線の名手で琉球民謡登川流宗家、琉球古典音楽湛水流名誉師範。



早弾きを得意とすることから“沖縄のジミヘン”の異名を持つ。

作中では、役者として、というよりは1人の人間としての演技が最高に素晴らしい。

エンディングでの早弾きはかっこよすぎます。

嘉手苅 林昌は、戦後沖縄県を代表する沖縄民謡の唄い手。



沖縄県文化功労賞を受賞した。元琉球民謡協会名誉会長。

しかし、1999年(平成11年)10月9日、肺がんのため死去。本作が、ほぼ最後の歌声の記録となりました。

死ぬ間際まで、表現者として舞台に立った氏に、心から敬意を表します。


タイトルにある「ナビィ」は「なべ」の意味で、カマド・ウシなど、昔の沖縄県では女性によく使われた名前のひとつ。

日常生活で身近なものの名前を女性の名前につける風習によるもの。

ちなみに、「チルー」は「つる」、「サンラー」は「三郎」の転訛である。

作品に登場する”ユタ”は先祖や神々の霊と言葉を交わす霊能力を持った女性。



現在の沖縄にも占いや相談ごとに対応するユタが多く存在するらしい。

この辺りの地域性へのリサーチと知識はさすが。

地域のリソースを上手にコンテンツに落とし込んだ好例といえます。



コンテンツ・ビジネスが地域を変える [単行本]
長谷川 文雄 (著), 水鳥川 和夫 (著)

でも紹介されています。

地域に拠点を置き、その場所でクリエイションを続けるロールモデルではないでしょうか。

地域に身を置くには、様々なプロセスやタイプがある中、監督は地域の資源を理解し、作品に落とし込み、地域でヒットさせ、全国に流通させる流れを作ったのではないでしょうか。

ラストシーンで踊られる三線の速弾きは、祝いの席に踊られるカチャーシー。

手を上げ、空をかき回すように(カチャーシー=かき回す、の意)動かす動作と軽快なリズムが特徴的。

沖縄民謡を踊ったことがあるのですが、それはもう愉快で楽しい!

作品を観た、当時の総理大臣の小渕恵三が東京のテアトル新宿で鑑賞し、絶賛したというエピソードも残っています。


色んな人に観てほしい名作です。

とてもおすすめicon12

Posted by いぶすきー at 13:02 映画コメント(0)
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【自己紹介】はじめまして、いぶすきー(指宿)といいます。神戸で、WEB関係の会社でディレクター兼カメラマンとして働いています。愛知県、三重県、富山県、京都、神戸と各地を転々としています。

【趣味】映画・漫画・アニメ・読書・旅行です。
自転車で北海道から富士山を縦断したことがあります。

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