2010年07月22日
借りぐらしのアリエッティ
人間に見られてはいけない。

『借りぐらしのアリエッティ』 監督:米林宏昌
とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。
その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。

アリエッティの一家人間に気づかれないように、少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、
自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。
借りぐらしの小人たち。
そんなある夏の日、その屋敷に、病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。

人間に見られてはいけない。
見られたからには、引っ越さないといけない。
それが床下の小人たちの掟だったが、アリエッティは翔に姿を見られてしまう。

「おまえは、家族を危険にさらしているんだぞ」
アリエッティは、父に反発する。
「人間がみんなそんなに危険だとは思わないわ」
アリエッティは、生来の好奇心と向こう見ずな性格も手伝って、次第に翔に近づいて行く。
アリエッティの家族に大きな事件が迫っていた。
ーーー人間と小人、どちらが滅びゆく種族なのか!?

ジブリ最新作とあって、早速観てきました
率直な感想としては、あたたかい気持ちと、勇気をもらいました
観に行ってよかったです
ジブリらしいファンタジーな世界でありながらも、ヒロインは魔法を使えない小さな小人。
人類の進歩と共に失われていくものへの憂いを、表現豊かなアニメーションで描いた傑作だなぁと思いました。
国産のアヴァター
なんていわれる日がくるかもしれませんね。笑

自分は、「風の谷のナウシカ」、「となりのトトロ」「平成狸合戦ぽんぽこ」、「もののけ姫」、「崖の上のポニョ」へと、時代と共に自然と人間の関係性を描いていった一連の流れを俯瞰しながら観ていた立場なので、今回はこういう終着点を選択したのかぁ、としみじみしました。
借りぐらし、というコトバにあるように、本来、人間は自然を所有している関係ではなく、共存している関係だったのではないでしょうか。
所有・支配することで、みえないところでどれだけの生命が滅んでいったことかと、その想いを子どもにも届くアニメーションという手法で真摯に伝えていくジブリには拍手を送りたいところです。

監督はジブリ作品の監督としては最年少(37歳)での抜擢となった米林宏昌。
ジブリに入ろうと思ったきっかけの作品は「耳をすませば」で、理由は青春を感じたとの話が。
本作のラストシーンでは、「耳をすませば」のシーンを彷彿とさせる青春らしい爽やかなシーンも見受けられました。
「崖の上のポニョ」では、フジモトの部屋から金の水魚に乗って地上にやってくる一連のシーンを描き、宮崎駿を唸らせたというエピソードも。
確かに、人物や自然がダイナミックな動きで表現され、ジブリらしい躍動感ある映像を体験できました。
原作はイギリスの女流作家メアリー・ノートンの児童文学「床下の小人たち」。

1952年にイギリスで出版され、カーネギー賞を受賞。
当時、魔法を使うファンタジー作品が確立されていた中、この「床下の小人たち」には全く魔法の力を持たない小人たちが登場し、サバイバルするという新しい展開を見せたといわれています。
そして、宮崎駿が書いた脚本、設定をもとに、キャラクターを設計し、絵コンテを完成させたといいます。
うーん、これに関しては個人的に…どうですかねー。
原作自体への長きに渡った構想とセレクトは大いに評価されるべきかと。
ただ、主人公のセリフやストーリー展開が、もしかしたら宮崎さんのテコ入れが余計なこともなくはないような感じです。
アリエッティと翔が出会って間もなく、あの急なセリフは、どうしてもそれありきといいますか、つまりは宮崎さんのメッセージが大きな前提となってのものに感じてしまいました。
そういう思考に視点を移せば無理なく観れるのですが、全体を通してのストーリー構成と展開を重視する方にとってはいささか違和感を覚えるかもしれません。
大御所に頼らず、若手だけで制作したジブリ作品も観てみたいものです。
ただ、宮崎さんの考え方自体は割と好きなので、2時間という尺ではなく、ぜひ長編のシリーズものでも観てみたいところです。

加えて、ヒロインの声優を務めた志田未来さんの演技は抜群によかったです。
ジブリ作品で声優デビューにあたり、小さいころから大好きで、夢や勇気をたくさんもらってきたので嬉しく全力でやりたい、とのコメント通り、素晴らしい演技をみせてくれました。
樹木希林さんも、さすがキキキリン!といったところ。
実写映画で魅せる希林さんの演技もさることながら、声だけでも演じれるとは凄い。
また、翔の声(神木隆之介)に関しては、キャラクターのデザインの段階から、神木隆之介に依頼する予定で、作画スタッフは作画ルームにも神木隆之介のポスター等を貼り、動作・表情の研究をし、声だけでなく、翔のキャラクター自体のモデルとなっているといいます。
この辺りの対策がいかにもプロフェッショナルな仕事ぶり。
最近、ヒロインの声優が安直に芸能人やタレントを使い、台無しにするケースがある中で…さすがです。

『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』で小人の世界をいち早く体験!

『借りぐらしのアリエッティ』 監督:米林宏昌
とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。
その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。

アリエッティの一家人間に気づかれないように、少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、
自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。
借りぐらしの小人たち。
そんなある夏の日、その屋敷に、病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。

人間に見られてはいけない。
見られたからには、引っ越さないといけない。
それが床下の小人たちの掟だったが、アリエッティは翔に姿を見られてしまう。

「おまえは、家族を危険にさらしているんだぞ」
アリエッティは、父に反発する。
「人間がみんなそんなに危険だとは思わないわ」
アリエッティは、生来の好奇心と向こう見ずな性格も手伝って、次第に翔に近づいて行く。
アリエッティの家族に大きな事件が迫っていた。
ーーー人間と小人、どちらが滅びゆく種族なのか!?

ジブリ最新作とあって、早速観てきました

率直な感想としては、あたたかい気持ちと、勇気をもらいました

観に行ってよかったです

ジブリらしいファンタジーな世界でありながらも、ヒロインは魔法を使えない小さな小人。
人類の進歩と共に失われていくものへの憂いを、表現豊かなアニメーションで描いた傑作だなぁと思いました。
国産のアヴァター
なんていわれる日がくるかもしれませんね。笑

自分は、「風の谷のナウシカ」、「となりのトトロ」「平成狸合戦ぽんぽこ」、「もののけ姫」、「崖の上のポニョ」へと、時代と共に自然と人間の関係性を描いていった一連の流れを俯瞰しながら観ていた立場なので、今回はこういう終着点を選択したのかぁ、としみじみしました。
借りぐらし、というコトバにあるように、本来、人間は自然を所有している関係ではなく、共存している関係だったのではないでしょうか。
所有・支配することで、みえないところでどれだけの生命が滅んでいったことかと、その想いを子どもにも届くアニメーションという手法で真摯に伝えていくジブリには拍手を送りたいところです。

監督はジブリ作品の監督としては最年少(37歳)での抜擢となった米林宏昌。
ジブリに入ろうと思ったきっかけの作品は「耳をすませば」で、理由は青春を感じたとの話が。
本作のラストシーンでは、「耳をすませば」のシーンを彷彿とさせる青春らしい爽やかなシーンも見受けられました。
「崖の上のポニョ」では、フジモトの部屋から金の水魚に乗って地上にやってくる一連のシーンを描き、宮崎駿を唸らせたというエピソードも。
確かに、人物や自然がダイナミックな動きで表現され、ジブリらしい躍動感ある映像を体験できました。
原作はイギリスの女流作家メアリー・ノートンの児童文学「床下の小人たち」。

1952年にイギリスで出版され、カーネギー賞を受賞。
当時、魔法を使うファンタジー作品が確立されていた中、この「床下の小人たち」には全く魔法の力を持たない小人たちが登場し、サバイバルするという新しい展開を見せたといわれています。
そして、宮崎駿が書いた脚本、設定をもとに、キャラクターを設計し、絵コンテを完成させたといいます。
うーん、これに関しては個人的に…どうですかねー。
原作自体への長きに渡った構想とセレクトは大いに評価されるべきかと。
ただ、主人公のセリフやストーリー展開が、もしかしたら宮崎さんのテコ入れが余計なこともなくはないような感じです。
アリエッティと翔が出会って間もなく、あの急なセリフは、どうしてもそれありきといいますか、つまりは宮崎さんのメッセージが大きな前提となってのものに感じてしまいました。
そういう思考に視点を移せば無理なく観れるのですが、全体を通してのストーリー構成と展開を重視する方にとってはいささか違和感を覚えるかもしれません。
大御所に頼らず、若手だけで制作したジブリ作品も観てみたいものです。
ただ、宮崎さんの考え方自体は割と好きなので、2時間という尺ではなく、ぜひ長編のシリーズものでも観てみたいところです。

加えて、ヒロインの声優を務めた志田未来さんの演技は抜群によかったです。
ジブリ作品で声優デビューにあたり、小さいころから大好きで、夢や勇気をたくさんもらってきたので嬉しく全力でやりたい、とのコメント通り、素晴らしい演技をみせてくれました。
樹木希林さんも、さすがキキキリン!といったところ。
実写映画で魅せる希林さんの演技もさることながら、声だけでも演じれるとは凄い。
また、翔の声(神木隆之介)に関しては、キャラクターのデザインの段階から、神木隆之介に依頼する予定で、作画スタッフは作画ルームにも神木隆之介のポスター等を貼り、動作・表情の研究をし、声だけでなく、翔のキャラクター自体のモデルとなっているといいます。
この辺りの対策がいかにもプロフェッショナルな仕事ぶり。
最近、ヒロインの声優が安直に芸能人やタレントを使い、台無しにするケースがある中で…さすがです。

『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』で小人の世界をいち早く体験!
スタジオジブリの最新作『借りぐらしのアリエッティ』の公開に合わせて7月17日(土)から東京都現代美術館で始まった『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』。『キル・ビルVol.1』(02)や『THE有頂天ホテル』(05)などの映画美術監督で知られる種田陽平が手がけたこの美術展では、人間の12分の1サイズで作られたアリエッティたち小人の世界が見事に再現されている。そこで7月16日に内覧会が行われ、開会式の後、いち早くその世界を体験してきた。
http://news.walkerplus.com/2010/0717/2/
2010年7月17日 MovieWalkerより
公開にあわせてこちらもすごいですね。
東京に行く機会があればぜひとも行きたいところです。
嬉しいニュースはまだまだ続きます。
借りぐらしのアリエッティ -「100億円超え確実」のスタート 公開3日で100万人超
スタジオジブリの新作「借りぐらしのアリエッティ」が17日、全国447スクリーンで封切られ、17~19日の3日間の興行成績は観客動員が103万8138人で、興行収入が約13億5000万円だったことが20日、明らかになった。08年7月に公開され、最終興行収入155億円だったスタジオジブリの前作「崖の上のポニョ」(宮崎駿監督)と比較すると動員数で82.9%、興収で85.6%の数字となり、配給元の東宝では「100億円超えが確実」としている。
http://mantan-web.jp/2010/07/20/20100720dog00m200041000c.html
まんたんウェブ2010年07月20日より
すでに10億円をこえたようです。
トイストーリー3との攻防戦やいかに?!
海外の3Dか、日本の手書きか…。
今後も目が離せません。
とにかくにも観に行ってよかったです!
この夏はぜひ家族でアリエッティを!
おすすめです。
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