いぶすきーの映画ぶろぐ

邦画を中心に、新旧問わずおもしろい映画・アニメをおすすしていきます^^
2011年04月24日

マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜



「マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」 監督:河森正治

更新がだいぶ止まっていましたので、久しぶりに更新です。

2009年に前編『劇場版 マクロスF 虚空歌姫 〜イツワリノウタヒメ〜』が公開し、2011年に後編となる本作である『劇場版 マクロスF 恋離飛翼 〜サヨナラノツバサ〜』が公開されました。

物語は前編エンディングの3ヵ月後から始まり、新規作画のオリジナルストーリーでクライマックスへと突入しました。

上映から長らく経ちましたが、先日ようやく観に行くことができました。

場所は神戸のシネリーブルに彼女を連れて行きました。

女性にはどうかな…と思いましたが、意外と楽しんでいただけたようでよかったです(笑)

上映開始から日数が経過していましたが、半数近くの席がレイトショーにもかかわらず埋まっていました。

改めてマクロスシリーズの人気の高さがうかがえます。

カップルや若い女性組での観客も多く、深夜の大人向けアニメの中でも広く受け入れられていることを実感。

西暦2009年、巨人種族ゼントラーディとの間に勃発した第一次星間大戦において絶滅の危機に瀕した地球人類は、種の保存のため大規模な移民船団を作り、銀河系各方面へと旅立っていった。

50年後の西暦2059年、銀河系中心宙域を旅するマクロス・フロンティア船団において、マクロス・ギャラクシー船団の人気歌手シェリル・ノームのライブが行われた当日、巨大な昆虫型宇宙生物バジュラの群れが襲来し、人類対地球外生命体の新たな戦いが始まる。

その最中で、パイロットを目指す少年早乙女アルトと歌手を夢見る少女ランカ・リーはシェリルと巡り会う。

アルトは民間軍事企業S.M.Sに入隊してバジュラとの戦いに身を投じ、ランカはアイドルを目指して下積みの仕事に励む。

シェリルはギャラクシー船団からのスパイではないかと疑われ、3人の間には恋愛と疑いの感情が交錯します。

ここでメインヒロインであるシェリルにスパイ容疑がかかる辺り、TV版とは違った劇場版オリジナルのキャラクター設定が見受けられます。

個人的に、劇場版アニメ映画の醍醐味は、TVシリーズとの観客層と映画館での観客層との間に生じるであろう認識のギャップを、いかに制作側が捉え、最終的な落とし込みをしていくか、ということも見所の一つであると考えています。

マクロスシリーズは、元々1982年に『超時空要塞マクロス』が放送が原点。

以来、テレビアニメ3作、OVA5作、アニメ映画4作が作られています。

そこで、放送開始以来よりのファン層、次点でのプラス、セブン、ゼロなど、年代によってキャラクターデザインも映像表現もストーリー性も異なります。

特に、近年のアニメ事情からすれば、歌姫であるヒロイン2人に対するスポットに注視するあまり、本来保持していたSFとしての世界観やストーリーの魅力が薄れることが危惧されていました。

にもかかわらず、大満足の結果に終わったのは、やはり映像表現の素晴らしさ、音響演出の良さ、脚本の完成度ではないでしょうか。

劇場版のキャッチコピーが第1弾では「歌は魔法☆」、第2弾は「歌は祈命(いのち)」、第3弾は「歌は死なない。」とあるように、一貫して”歌”に対する訴求を貫いています。

素人オーディションの中より選ばれた中島愛は、アイドルを夢見るランカちゃん。

元々歌手志望であったMay'nは、歌手として不動の地位を確立しているシェリル。

どちらをとっても、声優・歌手を越えて、個人の背景にあるアイデンティティとしての相性が抜群に素晴らしい。

劇中では、戦闘・歌・恋愛・謀略といった要素が目まぐるしく展開する中で、それぞれのストーリーやキャラクターの心情を描写するかのような巧みな選曲の数々。

本作制作中にミュージッククリップ『娘クリ』のリリースを挟んだため、2010年中の上映には至らなかったものの、ヒロインたちのクリスマスソングを聴いてから、年越しでバレンタイン時期に公開で観に行くという流れを経験された方にとっては何よりも嬉しい愛のあるプレゼントになった、かと(笑)

監督である河森氏も「2時間弱の中に詰め込めるだけ歌を詰め込み、それでも作品として成立しうるかが、トライしたところですね」と語っているということからも、いかに音楽としての尺を維持しながら、映画としての作品を作り上げるか、というところに注目していただきたいです。

音響設計は映画用5.1chサラウンド仕様となり、大画面・大音響による「戦場ライブ」のような空間を目指しているとのことです。

3DCGやモーションキャプチャ、実写などの素材を交えたミュージカル風の演出で、ジャパニメーションの3DCG創世記からのアニメファンにとっても嬉しい構成。

TVシリーズ、前作を鑑賞済みで、さらに娘トラなどのCDシリーズを聴いている方にとっては、興奮間違いなし。

「何かを選択する過程を通じて成長していく姿」

最終的に、生命を賭して歌ったシェリルは静かに眠り続け、ランカはアルトの帰還を信じて祈りの歌を捧げます。

このエンディングは、まさのゼロ年代以降に語られる作中キャラクターたちの関係の永続性という位置づけとして観ておいて損はありません。

さらに、作中ではオマージュとして手塚治虫の鉄腕アトムの映像が少しだけ登場。

鉄腕アトムでは、機会が人間の心を持つということを暗示。

本作では、人間の心が機械に移植された未来を暗示。

個人的に、人間が心を持ちながら、機械としての入れ物に移植した場合、何かの意図や思惑によって非常にコントロールされやすいということを感じました。

2人の歌姫による人間の歌という感覚的な表現、バジュラという脳を持たない象徴物。

それぞれが対比的に持ち出されることで、より一層深く多面的に思考する余地を与えてくれます。

とても高い完成度で、楽しめる作品なのでおすすめです。

Posted by いぶすきー at 15:16 劇場版アニメコメント(0)
2010年12月09日

イヴの時間 劇場版

未来、たぶん日本―――。




「イヴの時間」 劇場版 監督:吉浦康裕


ロボットが実用されて久しく、 アンドロイド(人間型ロボット)が実用化されて間もない時代。
新時代のアニメーションとして一見の価値のある作品。




ロボット倫理委員会の影響で、人々はアンドロイドを“家電”として扱う事が社会常識となっていた時代。

頭上にあるリング以外は人間と全く変わらない外見により、必要以上にアンドロイドに入れ込む若者が現れた。

彼らは“ドリ系”(※Android Holic=アンドロイド精神依存症)と呼ばれ、社会問題とされるほどである。

高校生のリクオも幼少の頃からの教育によってアンドロイドを人間視することなく、便利な道具として利用していた。

ある時、リクオは自家用アンドロイドのサミィの行動記録に「** Are you enjoying the time of EVE? **」という不審な文字列が含まれている事に気付く。



行動記録を頼りに親友のマサキとともにたどり着いた先は、「当店内では、人間とロボットの区別をしません」というルールを掲げる喫茶店「イヴの時間」だった・・・


個人的には観てよかったーというのが率直な感想。
欲をいえば、もう少しストーリーが動的な方が好きではある。

賛否両論、といいたいところだが、どちらかというと賛の割合が多いという予想。
新海誠作品、細田守作品、神山健治作品辺りを追いかけている層におすすめしたい。

まず、スタートは2008年8月~2009年9月 Yahoo! (GyaO!)動画、ニコニコ動画での配信。

約2カ月間隔で全6話をが配信されたオリジナル版は、口コミで話題を呼び、累計視聴数は300万回を超え、アニメファンの話題に。アマゾンで販売したシリーズも見事に完売。

その後、東京国際アニメフェア2010・第9回東京アニメアワード優秀賞OVA部門受賞作品。
「サマーウォーズ」、「東のエデン」と並び、「イヴの時間」が東京アニメアワード優秀賞を受賞。

一気に新世紀のアニメーション界へのスターダムへと上り詰めた。

それを支えるのは、アニメーション制作の裏側と、作品の世界観ではないだろうか。

制作については以下のリンクより詳しくみていただける。

「イヴの時間」プロデューサーが語る、新時代のアニメ産業論
http://ascii.jp/elem/000/000/509/509054/

新時代のクリエイターの輩出には、それを支えるスタッフたちがいることを強調しておきたい。
特に、制作資金を自社で集め、コアなファンを獲得した後に、劇場版公開へと踏み切ったプロセスは興味深い。

続いて、作品の世界観。
いあわゆる、ロボットアニメものという位置づけになるとは思うが、機械との向き合い方という命題に、真正面から挑んでいる。
ここで特筆したいのは、機械と人間の関係性において、ステレオタイプな否定派の理論を巧みに描き、現代の情報操作が蔓延するマスメディアのジャーナリズムに対して、批評的視点を与えてくれるところだ。

やや難しい表現になったが、詳しくはアニメ!アニメ!によるインタビューを参考にしていただきたい。



AA ロボットについていえば、作品の中でナギさんたちは、アンドロイドも人間らしくあるように考えているのかと思えましたが。

吉浦 必ずしも「人間らしく」というわけでないんですが…。あの社会は、ロボットを少しでも擬人化してしまうのは恥ずかしいことだという極端な価値観が蔓延している世界です。ロボットはステレオタイプなロボットらしくあらねばならない、ということですね。
でもロボットは別に人間になりたいわけでも人間の権利を奪おうとしているわけでもなくて、ただ人間のために尽くしたいだけなんです。人間と同一視する必要はない、ただ違う存在として当たり前に認める、このスタンスが最も自然だと思います。

AA あれを見ながらあまりロボットと人間が仲良くし過ぎると、ロボットは結局年を取らないし、やはりそこで混乱が起きるんじゃないかと思いました。倫理委員会には正しい側面もあるかなと感じました。

吉浦 もちろん、倫理委員会については、「これはこれで一理あるよな」と常に書いていました。ただ主張内容はどうあれ、倫理委会はロボットと過度に接するのはかっこ悪いという風潮をあおって、あのような状況を情報操作で作り出している一面があります。そのやり方は不健全だと思いますね。

AA ロボットに入れ込んでいるドリ系と言われている人と、現代のオタクというのは重なるものなのかなとも思いました。

吉浦 それは少し意識しました。でも「ロボットに人間らしさを見出す」というのは、それだけで多種多様な状況があるはずなんですよね。
例えば着せ替え人形にして、かわいい服を着せて一緒に腕を組んで歩く人もいれば、一方で独居老人が話す相手がいなくて、それで心の支えにする場合もあるんです。けれども、ドリ系という言葉は、そういった様々な状況をひとくくりにまとめちゃう言葉なんだと思います。画一的なネガティブイメージを押し付けて。



アニメ!アニメ!『イヴの時間 劇場版』吉浦康裕監督インタビュー
http://www.animeanime.jp/interview/eve1.html

例えば、非実在青少年規制や近年のTV番組での批判的なオタク特集(バン○シャなど)にあるような、マスメディアの情報操作によって、非常に偏った理論がまかり通ってしまっているように思える。まさに、監督のいう押しつけである。

しかし、ここで結論を急いでしまうが、私が強調したいのは、単にマスメディア=悪者という逆説的な否定派を支持しているわけでもない。
ロボットと人間の間に、感情が生まれるというのは、それぞれ何らかの事情があり、その事実にいいも悪いもない。
ただ、そこには何らかの理由や背景が存在し、その先にあるものに、想像力をかき立ててくれるということだ。

これらのメッセージを、作中のキャラたちの巧みなボケ&つっこみなど、エンターテイメントとして見事に表現できているという点が素晴らしい。個人的にはおすすめしたい作品である。次回作があるならぜひとも観に行きたい。

●スタッフ
原作・脚本・監督:吉浦康裕(「水のコトバ」「ペイル・コクーン」)
キャラクターデザイン・作画監督:茶山隆介
音楽:岡田徹
アニメーション制作:スタジオ六花
制作:ディレクションズ

リクオ:福山潤
マサキ:野島健児
サミィ:田中理恵
ナギ:佐藤利奈
アキコ:ゆかな
コージ:中尾みち雄
リナ:伊藤美紀
チエ:沢城みゆき
シメイ:清川元夢
セトロ:杉田智和
芦森博士:山口由里子
ナオコ:水谷優子


Posted by いぶすきー at 13:24 劇場版アニメコメント(4)
2010年12月06日

トイ・ストーリー3



さよならなんて、言えないよ…




「トイ・ストーリー3」監督:リー・アンクリッチ

ご存知「トイ・ストーリー」シリーズ第三部目。
日本では「借りぐらしのアリエッティ」と並んで公開されて話題になりましたね。
こちらを参考に↓宣伝(笑)
いぶすきーの映画ぶろぐ「借りぐらしのアリエッティ」
http://ibusuki.ko-co.jp/e100291.html

日本興収100億円突破、全世界興行収入 10億ドル突破。世界歴代興行収入で第5位、アニメーションとしては2010年8月初め、『シュレック2』を抜いて1位となったそう。正直、この数字には納得の傑作です。
最近レンタルになったので、早速借りました。
1・2ともちろん観ていましが、本当にいくつになっても大好きなシリーズ。
おもちゃたちそれぞれの想い、持ち主との思い出、全体のストーリーの面白さ、どれをとっても最高!




第1作目から10年後。おもちゃ達の持ち主であるアンディは17歳になっていて、おもちゃと遊ぶことからは卒業している。そして、もうすぐ大学に進学しようとしている。アンディは引っ越しに際して、長年のお気に入りだったカウボーイ人形のウッディだけを持っていき、アクション人形のバズをはじめとする他のおもちゃたちを屋根裏にしまうことを決めた。

この辺りのエピローグで、すでに感涙してしまいます(笑)
特に、最近節目を迎えた方であれば共感できること間違いなしです。

ところが、屋根裏行きのおもちゃ達が手違いでゴミに出されるという事件が起こる。危ういところで難を逃れたおもちゃたちは、アンディに「ガラクタだ」と言われたことにショックを受け、捨てられたと思い込み、地元の託児施設へ寄付されるおもちゃたちの段ボールに自ら入り込んだ。託児所「サニーサイド」のおもちゃたちに歓待を受けたバズたちは留まることを決意し、仲間を説得するために同行したウッディは諦めて去ってゆく。

ディズニーの脚本の絶妙さというか、王道を突き進むなぁと関心。
おもちゃたちの思い違いが、後の事件へのきっかけとなってストーリーは急展開を迎えます。

新入りのバズたちに割り当てられたのは、おもちゃを乱暴に扱う年少の子供たちが集う部屋だった。「サニーサイド」が強い人間不信を抱えるぬいぐるみのロッツォによっておもちゃの牢獄と化していることを知ったウッディは、仲間を救うために帰ってきた…

サニーサイドの住人たちは、圧倒的な悪としての存在感を放ちます。さらに、ここで重要なのは、悪にも、悪なりの道理というか、事情があったということをきちんと描写していることです。

その上で、悪が悪としての役割が成立し、観客は安心して視聴することができるのでないでしょうか。

最終的に、アンディが選んだ道というか、結末が素晴らしかった。仲間と、ずっと一緒。今期のアニメーションのひとつの大きなムーブメントのように感じます。

そういえば、途中で『となりのトトロ』のトトロが出演するシーンにびっくり。



理由は、ジブリとピクサーが長年の付き合いで、宮崎駿監督がおもちゃでならと、出演を許諾したらしいです。なんというか、こういう遊び心というか、ボーダレスな演出もいいですねよね。アニメーションに国境なんて関係ない!そんなメッセージも感じるところであります。

観終わった後、ふと、昔忘れていた大切なものを思い出させてくれる、素敵な映画です

そういえば、小学生の頃、当時の友達と映画館に観に行ったことを思い出しました。
久しぶりに、連絡でもしてみようかな、と思ったり。
昔大事にしていたおもちゃのことを思い出して、押入れをのぞいてみたり。

1人で観ても、家族で観てもおすすめ。
ぜひ、一度観てみて欲しい作品です。

Posted by いぶすきー at 01:17 劇場版アニメコメント(0)
2010年10月04日

劇場版 NARUTO-ナルト- 疾風伝 火の意志を継ぐ者

届け、オレたちの想い!





「劇場版 NARUTO-ナルト- 疾風伝 火の意志を継ぐ者」 監督:むらた雅彦

雲、岩、霧、砂という4つの国の里を守る優秀な忍たちがある日突然姿を消す。

4つの国で代々一族によって受け継がれてきた“血継限界”と呼ばれる強大な特殊能力を持つ4人の忍が消えたのだが、唯一火の国だけはその難を逃れていた。

今にも第四次忍界大戦が起きそうな予感から、火の国の大名は綱手に何としてでも真相を探るよう厳命する。



海外でも人気の高いNARUTOの劇場版。

スペインの現代美術館で、NARUTOの海外向けサイトを閲覧している方を見かけましたし、その人気は想像以上のものです。

というわけで、劇場版を観てみましたが、なかなかおもしろい(笑)

掟を守り、それ以上に仲間を大事にする。

本作の伝えたいメッセージはとても直球。

子ども向けというのもあると思いますが、忍者という世界において、掟を守るということを大前提に、それでも、仲間を、友達を大切にという想いは感動的。

さらに、むらた雅彦監督が「普段活躍できていないキャラクターにも出番を」という想いが伝わってくる構成でした。

主題歌をPUFFY「誰かが」がうたっていたことで話題にもなりましたね。


「NARUTO-ナルト-」とは・・・

落ちこぼれ忍者・うずまきナルトが里で一番の忍者<火影>を目指して成長していく過程を、数々の試練とバトル、出会いや友情を通じて描く物語が人気を博し、コミックス関連本の累計は9200万部を突破している。
Posted by いぶすきー at 12:18 劇場版アニメコメント(0)
2010年07月22日

借りぐらしのアリエッティ

人間に見られてはいけない。




『借りぐらしのアリエッティ』 監督:米林宏昌

とある郊外に荒れた庭のある広大な古い屋敷があった。

その床下で、もうすぐ14歳になる小人の少女・アリエッティは、父ポッドと母ホミリーと3人でひっそりと静かに暮らしていた。



アリエッティの一家人間に気づかれないように、少しずつ、石けんやクッキーやお砂糖、電気やガスなど、
自分たちの暮らしに必要なモノを、必要な分だけ借りて来て暮らしていた。

借りぐらしの小人たち。

そんなある夏の日、その屋敷に、病気療養のために12歳の少年・翔がやって来た。




人間に見られてはいけない。

見られたからには、引っ越さないといけない。

それが床下の小人たちの掟だったが、アリエッティは翔に姿を見られてしまう。




「おまえは、家族を危険にさらしているんだぞ」


アリエッティは、父に反発する。


「人間がみんなそんなに危険だとは思わないわ」


アリエッティは、生来の好奇心と向こう見ずな性格も手伝って、次第に翔に近づいて行く。


アリエッティの家族に大きな事件が迫っていた。


ーーー人間と小人、どちらが滅びゆく種族なのか!?




ジブリ最新作とあって、早速観てきました!

率直な感想としては、あたたかい気持ちと、勇気をもらいましたface01

観に行ってよかったですhappa

ジブリらしいファンタジーな世界でありながらも、ヒロインは魔法を使えない小さな小人。

人類の進歩と共に失われていくものへの憂いを、表現豊かなアニメーションで描いた傑作だなぁと思いました。

国産のアヴァター

なんていわれる日がくるかもしれませんね。笑



自分は、「風の谷のナウシカ」、「となりのトトロ」「平成狸合戦ぽんぽこ」、「もののけ姫」、「崖の上のポニョ」へと、時代と共に自然と人間の関係性を描いていった一連の流れを俯瞰しながら観ていた立場なので、今回はこういう終着点を選択したのかぁ、としみじみしました。

借りぐらし、というコトバにあるように、本来、人間は自然を所有している関係ではなく、共存している関係だったのではないでしょうか。

所有・支配することで、みえないところでどれだけの生命が滅んでいったことかと、その想いを子どもにも届くアニメーションという手法で真摯に伝えていくジブリには拍手を送りたいところです。



監督はジブリ作品の監督としては最年少(37歳)での抜擢となった米林宏昌。

ジブリに入ろうと思ったきっかけの作品は「耳をすませば」で、理由は青春を感じたとの話が。

本作のラストシーンでは、「耳をすませば」のシーンを彷彿とさせる青春らしい爽やかなシーンも見受けられました。

「崖の上のポニョ」では、フジモトの部屋から金の水魚に乗って地上にやってくる一連のシーンを描き、宮崎駿を唸らせたというエピソードも。

確かに、人物や自然がダイナミックな動きで表現され、ジブリらしい躍動感ある映像を体験できました。

原作はイギリスの女流作家メアリー・ノートンの児童文学「床下の小人たち」。



1952年にイギリスで出版され、カーネギー賞を受賞。

当時、魔法を使うファンタジー作品が確立されていた中、この「床下の小人たち」には全く魔法の力を持たない小人たちが登場し、サバイバルするという新しい展開を見せたといわれています。

そして、宮崎駿が書いた脚本、設定をもとに、キャラクターを設計し、絵コンテを完成させたといいます。

うーん、これに関しては個人的に…どうですかねー。

原作自体への長きに渡った構想とセレクトは大いに評価されるべきかと。

ただ、主人公のセリフやストーリー展開が、もしかしたら宮崎さんのテコ入れが余計なこともなくはないような感じです。

アリエッティと翔が出会って間もなく、あの急なセリフは、どうしてもそれありきといいますか、つまりは宮崎さんのメッセージが大きな前提となってのものに感じてしまいました。

そういう思考に視点を移せば無理なく観れるのですが、全体を通してのストーリー構成と展開を重視する方にとってはいささか違和感を覚えるかもしれません。

大御所に頼らず、若手だけで制作したジブリ作品も観てみたいものです。

ただ、宮崎さんの考え方自体は割と好きなので、2時間という尺ではなく、ぜひ長編のシリーズものでも観てみたいところです。



加えて、ヒロインの声優を務めた志田未来さんの演技は抜群によかったです。

ジブリ作品で声優デビューにあたり、小さいころから大好きで、夢や勇気をたくさんもらってきたので嬉しく全力でやりたい、とのコメント通り、素晴らしい演技をみせてくれました。

樹木希林さんも、さすがキキキリン!といったところ。

実写映画で魅せる希林さんの演技もさることながら、声だけでも演じれるとは凄い。

また、翔の声(神木隆之介)に関しては、キャラクターのデザインの段階から、神木隆之介に依頼する予定で、作画スタッフは作画ルームにも神木隆之介のポスター等を貼り、動作・表情の研究をし、声だけでなく、翔のキャラクター自体のモデルとなっているといいます。

この辺りの対策がいかにもプロフェッショナルな仕事ぶり。

最近、ヒロインの声優が安直に芸能人やタレントを使い、台無しにするケースがある中で…さすがです。




『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』で小人の世界をいち早く体験!

スタジオジブリの最新作『借りぐらしのアリエッティ』の公開に合わせて7月17日(土)から東京都現代美術館で始まった『借りぐらしのアリエッティ×種田陽平展』。『キル・ビルVol.1』(02)や『THE有頂天ホテル』(05)などの映画美術監督で知られる種田陽平が手がけたこの美術展では、人間の12分の1サイズで作られたアリエッティたち小人の世界が見事に再現されている。そこで7月16日に内覧会が行われ、開会式の後、いち早くその世界を体験してきた。

http://news.walkerplus.com/2010/0717/2/
2010年7月17日 MovieWalkerより


公開にあわせてこちらもすごいですね。

東京に行く機会があればぜひとも行きたいところです。

嬉しいニュースはまだまだ続きます。

借りぐらしのアリエッティ -「100億円超え確実」のスタート 公開3日で100万人超
スタジオジブリの新作「借りぐらしのアリエッティ」が17日、全国447スクリーンで封切られ、17~19日の3日間の興行成績は観客動員が103万8138人で、興行収入が約13億5000万円だったことが20日、明らかになった。08年7月に公開され、最終興行収入155億円だったスタジオジブリの前作「崖の上のポニョ」(宮崎駿監督)と比較すると動員数で82.9%、興収で85.6%の数字となり、配給元の東宝では「100億円超えが確実」としている。

http://mantan-web.jp/2010/07/20/20100720dog00m200041000c.html
まんたんウェブ2010年07月20日より


すでに10億円をこえたようです。
トイストーリー3との攻防戦やいかに?!
海外の3Dか、日本の手書きか…。

今後も目が離せません。

とにかくにも観に行ってよかったです!
この夏はぜひ家族でアリエッティを!
おすすめです。


Posted by いぶすきー at 02:15 劇場版アニメコメント(0)
2010年06月24日

EX MACHINA -エクスマキナ-

「世界が終わっても 、お前を守ってみせる」





「EX MACHINA -エクスマキナ-」  監督:荒牧伸志



ここで、皆さんに質問です。


遠い未来、クローン技術が普及した社会における仮定の話。



顔面を含めた体のほとんどが機械になってしまったオリジナル彼氏



見た目は彼氏、でも中身は100%生身のクローン



が同時に存在したとしたら、


あなたはどちらを選びますかhatena


うーん、僕は・・・見た目よりも中身ですかねー?

いや、でも、機械だと肌の温もりとかなさそうですよね。


やはり、心が大事なのかと・・・


なんていうことを考えてしまいますface08


『APPLESEED アップルシード』(04年、日)の続編で、荒牧伸志監督と原作者の士郎正宗が再び手を組んで作り上げた、HD(高密度)アニメーション。


前作から7年後の西暦2138年、中立都市オリュンポスでは人間、サイボーグ、そしてバイオロイド(クローン)が共存していたが、いまだテロリズムを根絶するにはいたっていなかった。



ヒロインのデュナン(声:小林愛)は、最新鋭のサイボーグであり恋人のブリアレオス(声:山寺宏一)と特殊部隊ES.W.A.T.でコンビを組み、治安維持にあたっていた。



ところがある日、新パートナーのテレウス(声:岸祐二)の顔をみてデュナンは激しく動揺する。



彼は人間だったころのブリアレオスの遺伝子から作られたバイオロイドだったのだ・・・




本作の前編である劇場版『APPLESEED』は、フル3Dライブアニメという表現手法をもって初めて映像化した作品。

3Dライブアニメとは3DCGをセルアニメのような画風に変換するトゥーンシェーダーと、登場人物のリアルな動きを可能とするモーションキャプチャ技術を融合させた手法を示す造語です。



セルアニメに近い画風でありながら、従来のアニメーションと比べ、自由なカメラワークやよりリアルな動きが表現でき、映画作品に向いていると言われています。

確かに、アクションシーンは実写映画さながらの躍動感でした!

戦闘シーンのカメラワークがすごくかっこいい、ハリウッドっぽい印象を受けます。


それもそのはず、プロデューサーは『フェイス/オフ』や『M:i:2』等を監督したジョン・ウーが担当。

やはり、海外の描き方って色濃く出るもんなんですねー。


そしてそして!

音楽監修を細野晴臣が担当。

元YMOの三人(細野、坂本龍一、高橋幸宏)がHASYMO名義で書き下ろしたメインテーマ『RESCUE』が話題を呼びました。

その他、テイ・トウワ、コーネリアス、m-flo、rei harakamiなどが名を連ねています。

音楽好きならテンションあがりっぱなしです!

特に、近未来をイメージしたテクノサウンドがアツいです。

個人的に、rei harakamiの音楽が好きなので、こちらもおすすめ。


そしてそしてそして!!(もう少しお付き合いください笑)

PRADAのデザイナーがデュナンの衣装を担当。

ミウッチャが今回デザインした衣裳は2パターン。

スタッズ付きのアーミーブーツや、ファーのポケットつきのミニドレス風コート、エルボーパッド、異素材の切替がみせるコントラストなど、キャラクターの個性を活かしたミウッチャらしい遊び心溢れるデザインが目を引きました。





ミウッチャは

「タフでありながらもセクシーな女性像を表現した」

と説明しています。

いやー、パーティの時の衣装は衝撃的でした!


全体を通じて、ストーリーや人間描写にもう少し工夫があってもいいかなぁとは思いましたが

ジャパニメーション(日本文化)と海外の文化が融合したなぁという感想です。


主題となった、”争いは個体差にある”という命題もよかったです。

その価値観を、日本だけでなく、世界と共同しながら進めたこと。

本作の評価はまさにここにあります。


言語の違い、肌の違い、考え方の違い、文化の違い・・・

様々な違いを、議論を続けることで進歩してきたとしたら

その選択は間違ってなかったと信じたいものです。

しっかりと前を向いて、未来を作っていく。


そんなことを考えた、ジャパニメーション日和でしたface01


Posted by いぶすきー at 13:04 劇場版アニメ
2010年06月03日

ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~


「人間が最後に『ホッタラケ』にするものは、思い出なんだ」



こんにちは、映画ブログですface01


皆さんは、昔は大切にしていたのに、今はどこにあるかもわからない・・・



そんな、ホッタラケ=ほったらかし にしているものはありませんかhatena






『ホッタラケの島 ~遥と魔法の鏡~』



2009年8月22日に公開された日本のアニメ映画。


フジテレビジョン(フジテレビ開局50周年記念作品)、Production I.G製作



子供のころに大切にしていたものの、いつしか放置されてしまったおもちゃや絵本といった宝物。


高校生の遥は、亡くなった母親から貰った手鏡がなくなってしまったことで、神社にお参りに行き手鏡を返してほしいと祈る。






そこに狐があらわれ、人がほったらかした物をこっそり持ち去る姿を目撃する。


狐を追いかけると、神社の裏に不思議な穴がある。実は狐の世界へと通じる穴だった。






遥は手鏡が狐の世界にあるかもしれないと思い、不思議な「ホッタラケの島」での冒険が始まる。





2Dアニメ的な味と3DCGが融合した日本独自のフルCGアニメーションicon12

※3DCG
空間や立体など3次元の存在を、コンピュータの画面に投影して描画した画像や映像のことです。




この映画制作のため、製作チームは、ソフトウェアの開発から始め4年をかけて映画を完成させましたicon12





日本オリジナルのジャパニメーション!

日本の可能性を大いに感じます!


このストーリーのベースは、武蔵野に古くから伝わる民話。




なくなったものを探すとき

ハタヤ稲荷という神社にお参りして卵を授けると

探していたものが帰って来る



という言い伝えをプロデューサーと監督が膨らませたオリジナル・ストーリー。


映画を観終わって・・・


あぁ、そういえば昔は大事にしていたのに

今は忘れているものあったなぁと思いました。


大事にしていたぬいぐるみ、おもちゃ、誕生日プレゼント。

思わず、目頭が熱くなりましたhappa


皆さんも、ほったらかしにしているものはありませんかhatena


僕はこれからも、ほったらけにされている


素晴らしい作品の数々を紹介していきたいと思いました。



おすすめです!



【キャラクターボイス】
綾瀬はるか
沢城みゆき
戸田菜穂
大森南朋
谷村美月
家弓家正
松元環季

【スタッフ】
製作: 亀山千広 石川光久
企画: 石原隆 石川みちる
プロデューサー: 関口大輔 森下勝司
監督: 佐藤信介
脚本: 安達寛高 佐藤信介
キャラクターデザイン: 石森連 ヒラタリョウ
演出: 塩谷直義
アニメーションプロデューサー: 高木真司
ラインプロデューサー: 牧野治康
アシスタントプロデューサー: 稲葉直人
CG監督: 長崎高士
美術監督: 野村正信
編集: 今井剛
音響監督: 宇井孝司
音楽: 上田禎
主題歌: スピッツ「君は太陽」(ユニバーサルJ)

Posted by いぶすきー at 13:18 劇場版アニメ
2010年06月02日

秒速5センチメートル



・遠距離恋愛をしたことがある


・お互い好きなのに、離れてしまったことがある


・忘れられない人や、思い出がある





・・・こんにちは、映画ぶろぐですface01


上の項目にピンと来た方は必見ですicon12


今回は、まだ観たことがない方にはぜひとも観ていただきたい


とっておきの作品をご紹介します!





秒速5センチメートル 監督:新海誠



『ほしのこえ』、『雲のむこう、約束の場所』の新海誠が手掛けた

東京ローカルを舞台に一組の少女と少年の初恋と、その顛末を3つの短編で描く連作アニメ。


舞台は東京の小学校。



転校を繰り返してきた二人は、互いの境遇の類似からやがて特別な思いを寄せ合うようになる。





明里が栃木の中学校に入ってからも仲良しのまま文通を続けていたが、1学期の終わりに貴樹の鹿児島への転校が決まる。



貴樹は最後に明里に会うため、栃木県の小山の先まで向かうが、彼の乗るJR宇都宮線は記録的な豪雪に見舞われ・・・


映像がとにかく美しく、光の効果がとても綺麗です!


2002年に公開した『ほしのこえ』は、監督・脚本・演出・作画・美術・編集などほとんどの作業を一人で行った約25分のフルデジタルアニメーションで、従来の自主制作のレベルをはるかに超えたクオリティーの高さが注目を浴びました。



デジタル時代の到来で、1人でもクリエイションが可能になったと、各誌で話題になりました。


石原慎太郎都知事から


「この知られざる才能は、世界に届く存在だ!」


と絶賛されたほどです!


2004年には初の劇場長編作品となる『雲のむこう、約束の場所』が公開。


前作以上の作画のクオリティーと巧みな演出、音楽とのマッチングが大いに評価され、この作品で第59回毎日映画コンクールアニメーション映画賞を、宮崎駿監督の『ハウルの動く城』などを抑え受賞しました。




ちなみに、タイトルの「秒速5センチメートル」とは


「桜の花びらの落ちるスピード」


のことで作中冒頭でも明かされています。



主題歌の


「One more time, One more chance」


は山崎まさよしが1997年に発表した曲ですが、名曲は時を超えても色あせないことを感じますicon12

選曲自体は監督自ら直感でオファーしたそうですicon12

いやー、個人的には本当にオススメです!

ぜひ一度観てみてはいかがでしょうかhatena

Posted by いぶすきー at 13:02 劇場版アニメ
2010年06月01日

ルパン三世 カリオストロの城

こんにちは、映画ブログです。

今回ご紹介するのは、どうしても今一度おすすめしたい作品です!





ルパン三世 カリオストロの城 監督:宮崎駿

『ルパン三世 カリオストロの城』は、漫画家モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第二作目。

封切は1979年12月15日。

現スタジオジブリの宮崎駿が、初めて監督を担当した映画作品として知られている。

今さらながら、名作中の名作。

もし観てない方は必見です!

世界的な怪盗ルパン三世と相棒の次元大介は、モナコの国営カジノ大金庫から売上金を盗み出すことに成功し、追っ手をかわして車で逃走していた。



車内で札束に埋もれた二人は浮かれていたが、ふと盗んだ札束に目を落としたルパンは、それが「ゴート札」と呼ばれる、史上最も精巧な出来を誇る幻の偽札であることに気づく。

次の仕事としてゴート札の秘密を暴くことを選び、ゴート札の出処と疑われているヨーロッパの独立国家“カリオストロ公国”に入国したルパンは、そこでウェディングドレスを身につけた少女が何者かに追われているのに出くわす。

ルパンは追手を撃退したものの、少女は別の一団に連れ去られてしまう。



少女はカリオストロ公国大公家の継承者、クラリス・ド・カリオストロ(クラリス姫)であった。

現在の公国は大公の急逝に伴い、ラサール・ド・カリオストロ伯爵を摂政としており、大公位は空位となっていた。

公国の実質的な統治者となっている伯爵は、クラリスを妻として迎えることで大公位を得ての独裁を狙っていた。クラリスは伯爵の居城であるカリオストロ城に閉じ込められてしまう。



本作品においての評価は、従来のルパンファンと、カリオストロの城のファンとに分けられるが、個人的に両者を踏まえても高く評価したいと思う。



ひとつに、前提として私が宮崎ファンというのもあるが、賛否両論あるものの、監督の志向が出ている作品というのに魅力を感じるからだ。



そして何より、このような論争を生じたという事件性も包括し、エンターテイメントとして見事であること。

あのスピルバーグがカンヌ国際映画祭で本作を

「史上最高の冒険活劇の一つ」

と評し、特に冒頭のカーチェイスを

「映画史上最も完璧なカーチェイス」

と噂したという話も残っている。


宮崎氏本人は自著『出発点』で、

「この作品はルパン1stシリーズや、東映時代にやってきたことの大棚ざらえで、だから昔からぼくの仕事を見てた人は失望したというのはよくわかるんです。

汚れきった中年のおじさんを使って、新鮮なハッとする作品は作れないですよ。

こういうことは2度とできないなって、思ってやりました」


と語っている。

このことは、制作スケジュールの問題で、本作のDパートでは仕上げに手間がかからないよう絵コンテを切ったとも述べており、ルパンがクラリスを誘拐した後、オートジャイロによる空中戦も予定されていたが、本編では割愛された。

しかしながら、オープニングでの少ないカット割は見事で、岡田斗司夫の「東大オタク学講座」でも紹介されている。



そして、この割愛された部分は別の機会で提供されて補完されている。

完全版なるものができたら一番いいのだが、そう上手くはいかないのがこの業界なのかもしれない。

原作者のモンキー・パンチは

「日本国外のルパン三世ファンの95%は「ファンになったきっかけ」として本作を挙げる」と述べながらも、2007 年7月「ルパン三世シークレットナイト(新文芸坐)にて「(試写会で見た後の取材で)『これは僕のルパンじゃない』って言ったんですね。

『僕には描けない、優しさに包まれた、宮崎くんの作品としてとてもいい作品だ』

って。でもこの後半の部分が削られて、最初の一言だけが大きく取り上げられちゃいましてね(苦笑)。

僕のルパンは毒って言うか、目的のためなら手段を選ばないところとか、欲望とか人間の汚いところとか持ったキャラクターですからね。あんなに優しくは描けないなぁ」


と、原作と映画の違いも述べている。



その一方で、銭形のキャラクターに関しては「銭形は凄腕の刑事である」というのが原作の設定、作者のイメージであり、アニメのルパン三世においてドジ刑事扱いされる事に不満を述べており、本作については、「銭形警部は宮崎さんの解釈が一番正しい」と語った。

『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』でも、銭形を凄腕の刑事として描いている。

思うに、原作本来の良さを残しながら、アニメーションに仕上げていくことも大事ではあるが、宮崎氏の良さは、それに加えて自分なりの色づけをするところにあると思う。


過去の作品を観ても、本来の原作(海外の逸話等)をそのまま引用していたらこれまでの素晴らしい作品は生まれなかったのではないかと思う。

そして、放送終了後も根強く支持され、TV放映時の高視聴率などを加味すれば、やはりエンターテイメントとしては最高傑作と名高いのもうなづける。


日本のメディア芸術100選アニメーション部門選出(専門家選出4位、一般選出5位)

Posted by いぶすきー at 12:58 劇場版アニメ
2010年05月28日

マインド・ゲーム




こんなところで死んでたまるかーーーーー!!!!!






こんにちは、映画ブログのお時間ですface01


なんとなく発狂してしまいましたhappa





『マインド・ゲーム』監督:湯浅政明

ロビン西の漫画原作、 2004年にアニメ化icon12

今期(2010春)最も注目している「四畳半神話体系」



の監督である湯浅政明さんicon12

彼の名作である「マインドゲーム」をピックアップ!

企画・制作は鉄コン筋クリート(2006年)などを手掛けるSTUDIO 4℃!

制作協力に吉本興業を迎え、


西役に今田耕司、じーさん役に藤井隆、りょう役に山口智充(DonDokoDon)


などの吉本勢が集結!





ある日、西は電車内に飛び込んできた初恋の相手・みょんと再会を果たす。


彼女の案内で姉・ヤンの経営する焼き鳥屋に案内されたが、そこで彼女がりょうと婚約している事を知り、落ち込む。





その時、突如借金取りのヤクザが押しかけ、それに巻き込まれた西は、お尻の穴から銃弾を撃たれて脳天破裂という、何とも無様な形で死んでしまった。


しかし、現世に未練残りの西は、神様の意志に逆らい、自らの意思で生還したのであった。





とにかく


「生への執着」


が圧倒的な迫力で描かれる傑作。


感傷、挫折、希望、諦念、そして愛・・・



人生のすべての要素をぎゅっと凝縮!



破天荒なストーリー


ダイナミックで密度の濃い動き


奔放な色彩や画面効果


目まぐるしく編集された映像


そして炸裂する関西弁



全ての要素が最高に化学反応!


とってもおすすめです!


2004年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞

第59回毎日映画コンクール大藤信郎賞

2005年モントリオール・ファンタジア映画祭 アニメーション部門最優秀賞、監督賞、脚本賞ほか6部門

パリ・KINOTAYO映画祭大賞(金の太陽賞)


Posted by いぶすきー at 13:17 劇場版アニメ
2010年05月27日

時をかける少女 アニメ版


「待ってられない 未来がある。」


こんにちは、映画ブログです!

冒頭の言葉に「!!」となった方はぜひhoshi2

今回は、おすすめの劇場版アニメをご紹介します!





時をかける少女 監督:細田守


2006年7月15日に角川ヘラルド映画(現角川映画)から公開された日本のSFアニメ映画。


原作(1965年)は筒井康隆の同名小説『時をかける少女』。





原作の映画化ではなく、原作の約20年後を舞台にした続編。


監督は細田守、アニメーション制作はマッドハウス。





東京の下町にある高校に通う女子高生・紺野真琴。


ある日、踏切事故にあったのをきっかけに、時間を過去に遡ってやり直せる


タイムリープ(時間跳躍)能力


に目覚めてしまう。




最初は戸惑いつつも、遅刻を回避したり、テスト問題を事前に知って満点を取ったりと、





奔放に自分の能力を使う真琴。





そんなある日、仲の良い2人の男友達との関係に、微妙な変化が訪れていく。






劇場版アニメの中でもおすすめの作品です!


国内外における映画・アニメ賞など23冠を受賞。


その評価の高さにも納得です!



個人的に印象的だったシーンは、主人公である千昭が



「未来で待っている」


それに対して、ヒロインの真琴が

「会いに行く!」





というシーン。

胸にくる言葉ですicon12

2人とも、もう会えないのはわかっている。

それでも、もし、将来・・・

未来を変えることができたら・・・!


2人の力強い言葉に、未来への可能性を感じましたicon12


青春時代の想いというか、その爽快さに感動しますkirakria2


ぜひ一度観てみてほしい作品ですface01



Posted by いぶすきー at 12:54 劇場版アニメ
2010年05月26日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

こんにちは、映画ブログです^^

今回は、最近話題の作品をご紹介icon12





『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』監督:庵野秀明

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ第2作icon12

2009年度映画興行収入ランキング8位、興業収入40億円、動員数290万超をマークした超弩級アニメーション作品!

Blu-ray&DVD 2010年5月26日発売され、

初回出荷が80万枚を突破して話題沸騰中ですicon12




ファン必見の出来栄え、文句なしの傑作でしたface01

3DCGも積極的に取り入れられ、劇場で観た時はその迫力に圧倒されました!

社会現象を巻き起こした「エヴァンゲリオン」シリーズを全4部作として新たに製作した劇場版第2弾icon12


大きな運命を託された14歳の少年・碇シンジの物語はTV版とも違う未知の領域へ突入するicon14



汎用ヒト型決戦兵器エヴァンゲリオンに乗ることで、自ら戦うことを選んだ碇シンジhoshi2

大きな運命を託された14歳の少年の物語は、ここから未知の領域へ突入する。


綾波レイと人気を二分するヒロイン、アスカがエヴァンゲリオン2号機に乗って参戦。


加えて魅惑の新ヒロイン、マリが登場する。





謎の敵性体“使徒”とEVAシリーズの戦いは新エヴァンゲリオン仮設5号機の参加で、さらに激しくエスカレートしていく。



スクリーンに続々と展開する、誰も見たことのないバトルシーンicon12

驚異のスペクタクルの興奮は、未知の物語へとつながっていく。



あえてTVシリーズと同じ出発点からスタートしてみせた新EVA伝説。



この第2ステージからは新しい要素が加わり、大きく物語のポイントが切りかわっていく。

そこから見えてくる『新劇場版』の真の姿とは、はたして何なのだろうかhatena


前作「序」は多少のアレンジを利かせながらも、オリジナル(TV版)に沿って製作されていましたkirakria2


今回の「破」は、

キャラクターの情感、設定、位置付などかなり大胆なアレンジ

が加えられていますicon14



アスカの苗字が惣流から式波に
変わったとおり、大幅に加筆されていますicon12

旧作ファンでなくても楽しめる内容ですので、ぜひ一度観てみてほしい作品です!

Posted by いぶすきー at 13:03 劇場版アニメ
2010年04月16日

サマーウォーズ

こんにちは、お昼休みにおすすめ映画をお届けicon12


いぶすきーの映画ぶろぐのお時間です^^笑


最近肌寒い日が続いておりますが(札幌の友人が本当に雪降ったと言うてましたが笑)


いや、しかし、夏が早く来てほしいー!と思う今日この頃ですface02

さて、そんな夏を感じるこの作品!





サマーウォーズ:細田守監督

2009年。

夏を多いに盛り上げ、大ヒットロングランを達成。

『時をかける少女』の細田守監督が放つ、劇場アニメーションの最新作『サマーウォーズ』。



細田守監督といえば、『時をかける少女』で一躍脚光を浴びましたが、1999年には『劇場版デジモンアドベンチャー』の監督に抜擢、これは一見の価値がありますkirakira


追記ですが、同年、次代を担う若手監督を探していた宮崎駿により『ハウルの動く城』の監督に選ばれて、スタジオジブリに出向しています。


しかし細田版『ハウルの動く城』は制作途中で諸事情により製作中止となったというエピソードも。


というのも、宮崎さん曰く「君のような人間を(ジブリに)入れると、かえって君の才能を削ぐと考えて、入れるのをやめた」との話が・・・。

いずれにせよ、これらの経緯があって『サマーウォーズ』のような名作が生まれたと思うと、ロマンがありますねonpu

作品ひとつとっても、制作のエピソード等を知っていくことで、映画の楽しみが格段と増していきますicon12

キャラクターデザイン・貞本義行、脚本・奥寺佐渡子など『時をかける少女』のスタッフが再結集。

貞本さんといえば、エヴァンゲリオンのキャラクターデザインで有名で、貞本義行コレクションとしてフィギュアも発売されています!



ふとした事から片田舎の大家族に仲間入りした少年が、突如世界を襲った危機に対して戦いを挑む物語。


主人公はちょっと弱気で人付き合いも苦手な、17才の理系少年。


高校2年の夏休み、天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、憧れの先輩、夏希にアルバイトを頼まれます。



二人が辿りついた先は、長野にある彼女の田舎。そこにいたのは総勢27人の大家族。夏希の曾祖母・栄は、室町時代から続く戦国一家・陣内家の当主であり、一族を束ねる大黒柱だ。


栄の誕生日を祝うために集った、個性豊かな「ご親戚」の面々。そこで健二は突然、夏希から「フィアンセのフリをして」と頼まれてしまう。



栄のためにと強引に頼み込まれ、数日間の滞在をすることになった健二。賑やかな親戚の面々に気圧されながら、必死に「フィアンセ」の大役を果たそうと奮闘するのだった。

そしてその夜、彼の携帯に謎の数字が連なったメールが届く。数学が得意な健二はその解読に夢中になるのだが…
翌朝、世界は大きく一変していた。健二を騙る何者かが、世界を混乱に陥れていたのだ。
「私たち一家でカタをつけるよ!」
栄の号令のもと、健二と夏希、そして陣内家の面々が、一致団結して世界の危機に立ち向かう!

≪CAST & STAFF≫
神木 隆之介/桜庭 ななみ/富司純子/谷村美月/斎藤歩 ほか

監督:細田守
脚本:奥寺佐渡子
キャラクターデザイン:貞本義行
作画監督:青山浩行
美術:武重洋二
音楽:松本晃彦
アクション作画監督:西田達三
音楽:松本晃彦
主題歌:山下達郎「僕らの夏の夢」(ワーナーミュージック・ジャパン)
アニメーション制作:マッドハウス
日本テレビ放送網・マッドハウス 提携作品
製作:角川書店 ドリームパートナーズ ワーナー・ブラザース映画 読売テレビ放送 バップ
配給:ワーナー・ブラザース映画


監督インタビューはこちらから!なかなか興味深い内容です^^

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090723_summer_wars_interview/

暑い夏に向けて、サマーウォーズ観て盛り上がっていきましょうーicon14

おすすめですicon12


Posted by いぶすきー at 12:44 劇場版アニメ
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プロフィール
いぶすきー
いぶすきー
【自己紹介】はじめまして、いぶすきー(指宿)といいます。神戸で、WEB関係の会社でディレクター兼カメラマンとして働いています。愛知県、三重県、富山県、京都、神戸と各地を転々としています。

【趣味】映画・漫画・アニメ・読書・旅行です。
自転車で北海道から富士山を縦断したことがあります。

おもしろいものを広めていきたいと思い始めました。
皆さん、どうぞよろしくお願いします^^

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